強力な抗菌活性を持つ「ラクトフェリン」

ラクトフェリンは、
強力な抗菌活性を持つことが知られています。


グラム陽性・グラム陰性に関係なく、
多くの細菌は、
生育に鉄を必要とします。


ラクトフェリンは、
トランスフェリンと同様に、


細菌から鉄を奪い取ることで、
細菌の増殖を抑制します。


ラクトフェリンの鉄飽和度が高まるに従って、
抗菌活性は低下します。


この鉄依存性のメカニズムとは別に、
ラクトフェリンは、


グラム陽性菌の細胞膜の主要な構成成分である
リポポリサッカライド（LPS)と結合することで、


細胞膜を脆弱化し、
抗菌活性を示します。


ラクトフェリンをペプシンで分解した
部分ペプチドであるラクトフェリシンは、


細胞の細胞壁に傷害を与えることで、
ラクトフェリンの10倍以上強力な抗菌活性を示します。


母乳の中でも、
とりわけ出産後数日間に分泌される初乳には、
ラクトフェリンが多く含まれています。


授乳により、
免疫グロブリンやラクトペルオキシダーゼなどと共に、


ラクトフェリンが、
母体から、新生児に取り込まれます。


ラクトフェリンは、
これらの因子と共同で、


免疫系が未熟な新生児を
外敵から防御していると考えられています。


乳酸菌やビフィズス菌などの腸内善玉菌は、
生育の鉄依存性が低く、


ラクトフェリンは、
抗菌活性を示さず、むしろ増殖を促進します。


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